由緒
泉井上神社は、大阪府和泉市に鎮座する
由緒ある古社であり、
古くは「井八幡神社」あるいは
「井戸ノ森八幡」とも称され、
国土の平安と守護、
さらには殖産興業の発展を司る
神々をお祀りする神社として、
古来より多くの人々の崇敬を
集めてまいりました。
そのご祭神には、
神功皇后(じんぐうこうごう)、
仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、
応神天皇(おうじんてんのう)の
三柱を主祭神としてお祀りしています。
とりわけ神功皇后は、
三韓征伐に際して武運を祈願し、
戦勝を得た後にその恩恵を
人々と分かち合ったとされ、
信仰の対象として篤く敬われてきました。

さらに、神功皇后に従って渡海したと
伝えられる四十五座の従者神も
あわせて合祀されており、
当社には合計で四十八座の神々が鎮まります。
また、古代の和泉国府の所在地に近く、
国の行政と宗教が交わる要地に
鎮座していたことから、
国内の主要な神社五社
——大鳥神社・泉穴師神社・聖神社・
積川神社・日根神社——
の神々を勧請し、
五社総社(和泉国総社)が泉井上神社と並べて
社殿が建立されました。
その後も時代の移り変わりとともに、
王子神社・菅原神社・式内和泉神社など、
地域ゆかりの神社が合祀されました。

神社名の「泉井上」は、
「泉の井の上に建つ宮」という意味を持ち、
その名の由来となったのが、社地に湧き出た霊泉
「和泉清水(いずみのしみず)」です。
この清らかな水は、神功皇后が戦勝祈願の際に
一夜にして湧出したと伝えられ、
その霊験は古来より語り継がれてきました。
この「和泉清水」こそが、
後の「和泉国」の国名の由来と
なったと言われています。
また、豊臣秀吉公もこの霊泉の水を愛し、
大坂城に運ばせて茶の湯に用いたという
逸話が残されており、
その名水としての価値は武将たちの間にも
広く知られていたようです。

このように、泉井上神社は古代から
現代に至るまで、延命長寿・五穀豊穣・
家内安全・商売繁盛・交通安全など、
多くのご利益をもたらす神々を祀る神社として、
今も変わらず地域の人々に親しまれています。
御祭神
神功皇后 [じんぐこうごう ]
仲哀天皇 [ちゅうあいてんのう]
応神天皇 [おうじんてんのう]
從老四十五柱
五社総社
1.大鳥神社 (堺市)
2.泉穴師神社 (泉大津市)
3.聖神社 (和泉市)
4.積川神社 (岸和田市)
5.日根神社 (泉佐野市)


