泉井上神社の境内には、
古代より受け継がれてきた歴史と、
今もなお訪れる人々の祈りが
静かに息づいています。
主祭神をお祀りする本殿を中心に、
歴代の合祀社や、
国名「和泉」の由来となった霊泉「和泉清水」、
そして豊かな緑に囲まれた静謐な社叢が広がり、
四季折々の風景のなかで
心を落ち着かせていただける空間となっています。
かつて和泉国府の地として栄えたこの地で、
長い年月を経てもなお守り伝えられてきた
神聖な佇まいを、どうぞゆっくりとご覧ください。
それぞれの場所に込められた意味や
由来をたどりながら、泉井上神社の
深い歴史に触れていただけましたら幸いです。

❶泉井上神社 拝殿
瓦葺の入母屋造に千鳥破風・軒唐破風を備えた、優雅な佇まいの社殿です。春には境内を彩る躑躅(ツツジ)とともに、厳かな神域の静けさの中で参拝者を迎えます。

❷和泉五社総社 本殿
(国指定重要文化財)
桃山時代の華麗な様式を今に伝える本殿で、豊臣秀頼によって再建されました。鮮やかな彩色と重厚な屋根を持ち、和泉五社の総社としての格式が感じられます。国の重要文化財に指定されています。

❸和泉清水の跡
「泉井上神社」の名の由来となった霊泉。かつては清らかな湧水が湧き出ており、豊臣秀吉が茶の湯に用いたと伝わります。現在は泉の跡として、静かにその痕跡をとどめています。。

❹浪速型 狛犬
(文化5年〈1808年〉奉納)
社殿前に対で鎮座する石造の狛犬。立体感のある眉や引き締まった表情が印象的で、「浪速型」と呼ばれる特徴的な様式を持ちます。江戸時代後期の貴重な作例です。

❺板碑
(大阪府指定有形文化財)
境内に2基残る板碑には、南北朝時代の正平3年(1348年)と明徳3年(1392年)の銘が刻まれています。かつての国府城から移されたと伝えられ、武士や庶民の信仰を物語る歴史的資料として重要です。

❻喜田稲荷神社
拝殿前に鎮座する朱の鳥居と銅板葺の社殿が印象的な小社。五穀豊穣や商売繁盛の神として広く信仰を集め、境内に彩りを添えています。

❼手水舎

❽勝手神社
美容・理容の祖神として信仰される「髪授大神」を祀る境内社。参道右手に北西向きで鎮座し、「髪之碑」とともに、美容業関係者の信仰を集めています。

❾熊野神社
(旧称「権現社」)
かつて「権現社」と呼ばれていました。熊野信仰に基づく境内社のひとつです。


